ロイエドお題その1:おはよう
2003年11月28日「・・・っん・・・・・・」
カーテンの隙間から漏れてくる朝の光。
その眩しさに一瞬顔を顰め、エドは身体を起こす。
「ふぁ・・・・・・」
昨夜も遅くまで調べ物をしていたため、まだ少し寝足りない。
どうせここ数日は書類を捲る日々を送る事になるのだから、と、エドは朝寝坊を決め込んだ。
アルフォンスもそんな兄の性格を判っていてか、一人でさっさと出かけてしまったようだ。
サイドテーブルには朝食のトレイが載っている。
すっかり冷めてしまったココアを飲みながら、エドは暫し空想に浸った。
(―――大佐、今頃何してるんだろ・・・)
あの忙しい大佐の事だ、自分のようにのんびり床の中、では無いだろう。
また軍法会議にでも出席しているのか、山のような仕事をこなしているのか。
それとも、休暇でもとってどこかの女性とデートだろうか。
―――チクッ。
そこまで考えた時、エドの胸に鋭い痛みが走った。
思わずその胸を押さえて呻く。
(―――別に、大佐が誰と何処にいようが・・・俺には関係ないじゃないか・・・)
向こうはそんな事、今日の昼食のメニューよりも気にしていないだろう。
こんな想いを抱いているのは、自分の方なのだから・・・。
そう考えて無理矢理痛みを抑えようとすると、痛みは寧ろ酷くなって涙を誘う。
泣くものか、あんな奴の為に泣く事なんて無い、と必死で涙を堪えていたその時。
―――コンコン。
部屋に、ノックの音が響いた。
続いて、エドがずっと求めていた声。
「鋼の?居るのだろう?」
カチャ、とノブを回して入ってきたロイは、明らかに休日の時の服装をしていた。
「・・・・・・大佐・・・」
何しに来たんだよ、と、いつものように憎まれ口を叩こうとしたが、声が出ない。
これ以上喋ったら、泣いてしまいそうだった。
「やっと休日が取れたものでね。これからデートなのだよ」
「・・・あっそ・・・・・・勝手に行ってくれば?なんでいちいち俺のトコに報告に
来るわけ?嫌味?自慢?」
さっきより酷くなった胸の痛みと、今にも零れそうな涙は隠して。
精一杯の強がりで、捲くし立てた。
「酷いな、鋼の」
ロイは笑って、エドに手を差し伸べる。
そして、エドの手に軽いキスを与えた。
「た・・・大佐!?」
心臓が張り裂けそうに高鳴る。
「私は、君をデートの相手に誘いに来たのだが・・・不満だったかね、エド?」
エド、と呼ばれたのは初めてだった。
「大・・・佐ぁ・・・・・・」
「おっと・・・その前にする事があったのを忘れていたよ」
ロイはエドを抱き抱えて、自分と同じ目線にまで持ち上げた。
「おはよう、エドワード」
続いて、優しくて暖かい、母さんにも似たキス。
「た・・・、ロイ・・・・・・」
「さぁエド、行こうか?今日は君も休日だ。私が今そう決めた」
「勝手に決めんなよな!」
憎まれ口を叩いてはいても、その手は確りとロイの手を握っている。
「何処へ行こうか?」
「何処でも大佐の好きなトコでいーじゃん!」
ぱたん。
エドの部屋の扉が閉まった。
+++++
書いてみました。
反響が怖いです・・・。
何か思うところある人は家マークから飛んでメール下さい。(苦笑)
カーテンの隙間から漏れてくる朝の光。
その眩しさに一瞬顔を顰め、エドは身体を起こす。
「ふぁ・・・・・・」
昨夜も遅くまで調べ物をしていたため、まだ少し寝足りない。
どうせここ数日は書類を捲る日々を送る事になるのだから、と、エドは朝寝坊を決め込んだ。
アルフォンスもそんな兄の性格を判っていてか、一人でさっさと出かけてしまったようだ。
サイドテーブルには朝食のトレイが載っている。
すっかり冷めてしまったココアを飲みながら、エドは暫し空想に浸った。
(―――大佐、今頃何してるんだろ・・・)
あの忙しい大佐の事だ、自分のようにのんびり床の中、では無いだろう。
また軍法会議にでも出席しているのか、山のような仕事をこなしているのか。
それとも、休暇でもとってどこかの女性とデートだろうか。
―――チクッ。
そこまで考えた時、エドの胸に鋭い痛みが走った。
思わずその胸を押さえて呻く。
(―――別に、大佐が誰と何処にいようが・・・俺には関係ないじゃないか・・・)
向こうはそんな事、今日の昼食のメニューよりも気にしていないだろう。
こんな想いを抱いているのは、自分の方なのだから・・・。
そう考えて無理矢理痛みを抑えようとすると、痛みは寧ろ酷くなって涙を誘う。
泣くものか、あんな奴の為に泣く事なんて無い、と必死で涙を堪えていたその時。
―――コンコン。
部屋に、ノックの音が響いた。
続いて、エドがずっと求めていた声。
「鋼の?居るのだろう?」
カチャ、とノブを回して入ってきたロイは、明らかに休日の時の服装をしていた。
「・・・・・・大佐・・・」
何しに来たんだよ、と、いつものように憎まれ口を叩こうとしたが、声が出ない。
これ以上喋ったら、泣いてしまいそうだった。
「やっと休日が取れたものでね。これからデートなのだよ」
「・・・あっそ・・・・・・勝手に行ってくれば?なんでいちいち俺のトコに報告に
来るわけ?嫌味?自慢?」
さっきより酷くなった胸の痛みと、今にも零れそうな涙は隠して。
精一杯の強がりで、捲くし立てた。
「酷いな、鋼の」
ロイは笑って、エドに手を差し伸べる。
そして、エドの手に軽いキスを与えた。
「た・・・大佐!?」
心臓が張り裂けそうに高鳴る。
「私は、君をデートの相手に誘いに来たのだが・・・不満だったかね、エド?」
エド、と呼ばれたのは初めてだった。
「大・・・佐ぁ・・・・・・」
「おっと・・・その前にする事があったのを忘れていたよ」
ロイはエドを抱き抱えて、自分と同じ目線にまで持ち上げた。
「おはよう、エドワード」
続いて、優しくて暖かい、母さんにも似たキス。
「た・・・、ロイ・・・・・・」
「さぁエド、行こうか?今日は君も休日だ。私が今そう決めた」
「勝手に決めんなよな!」
憎まれ口を叩いてはいても、その手は確りとロイの手を握っている。
「何処へ行こうか?」
「何処でも大佐の好きなトコでいーじゃん!」
ぱたん。
エドの部屋の扉が閉まった。
+++++
書いてみました。
反響が怖いです・・・。
何か思うところある人は家マークから飛んでメール下さい。(苦笑)
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